【メキシコ】43歳。この経験から次の挑戦へ

VOICE (短期プログラム)

【メキシコ】43歳。この経験から次の挑戦へ

「なぜボランティアをするのか」

趣味でスペイン語を習っていた私は、退職を機にもっと磨きをかけたいけれど、スペイン語圏で語学学校に通うよりはホームステイをして働く方が、費用もかからないしスキルを上げるのにベターだと考えました。恥ずかしながら、そして浅はかながら、これが参加の動機です。

「ボランティアだからできること」

ボランティア先のパンフレット活動先のAPACは、先天性疾患により障害をもつ子供から大人までの、保育園や学校、そして治療やリハビリをする総合的施設で、多くの実習生と国外内のボランティアの受け入れをされていました。正直なところ、どの部署にも連日多くの実習生がおり、マンパワーは充足している様子でした。ですから、私にできることは何か、そもそも私の活動の対象は職員なのか、障害をもつ人たちなのか戸惑いました。ボランティアですから、課せられる業務はなく自分で見つけなければなりません。

ボランティア先での一コマ

「私にできることはありますか。」と話しかけた男性は、リハビリをする40歳代の息子に付き添う70歳代の父親でした。

彼は、生まれつき四肢麻痺があり会話やアイコンタクトすら難しい息子さんに対して、自宅でなさっている介護について笑顔でこのように話されました。40年以上介護してきて、腰の負担も大きくなってきたが、やりがいを感じている、だって私の大切な愛する息子なんだからと。この施設は多くを寄付で営まれていて、こちらを利用する方は経済的には少しの負担で良いそうです。ですが、メキシコでは、日本のように訪問リハビリ、ヘルパーや訪問入浴といった公的サービスは確立していません。介護は家族に頼るしかないのでフルタイムで仕事ができないけれど、何を幸せと感じるかって、何よりも家族と過ごせることなんだからと陽気に話す彼との会話は尽きることがなく、趣味やメキシコのおいしい料理のことなどあらゆることを話しながら毎日同じ時間を共有しました。

「ボランティアにしかできないこと」

彼は、医療者でも家族や親戚や近所の知り合いででもなく、遠く離れた日本人の私だからこそ多くを語ってくださったのかもしれません。私にとっても、この施設の利用者でも職員でもなく、そのご家族と時間を気にせずゆっくり話しができたのは「ボランティアだからできること」ではなく、「ボランティアにしかできないこと」だと感じました。ボランティアは存在する必要があるのです。

「ボランティアの経験で得るもの」

ボランティア先仲間とともにボランティア先での一コマ

報酬がないからこそ、される人にとってありがたみが増すこと、見返りを求めずに何かした時の気持ちよさ。この感覚は経験した人でないと味わえないと思います。私はこの感動が忘れられません。滞在中は、日本とは異なる環境で生活される方達との関わりを通して、一人で考える時間が十分すぎるほどありました。人は誰だって最低限の生活をするために給料をもらわないといけません。そのためには働かないといけません。でも、平和で豊かな日本では感じにくいこと、例えば、貧困、衛生環境、教育を受けられないなど様々な問題があります。人の命や平和、家族と過ごせる時間といったことはお金では解決できない、とてもとっても尊いものです。だから、そういったことに自分の時間や労力を注ぐことを惜しむ必要はないかなと思えるようになりました。

この経験を機に、サラリー生活からちょっと寄り道することにしました。この9月から2年間JICAのシニア海外ボランティアの枠で、エクアドルの病院で看護師として活動します。APACでのたった1ヶ月のボランティア経験と同じ様に、2年後私自身がどう変わっているのか楽しみです。

ボランティア先での一コマ

 

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