1型糖尿病 × ジューC

1型糖尿病 × ジューC

s-IMG_1311先週、日本パートナーシップ大賞の最終審査&表彰式に行ってきました。この賞は、NPOと企業が協働した事例の中で、優れたものにおくられます。第11回の大賞は「1型糖尿病の患者のためのジューC事業」でした。(NPO:日本IDDMネットワーク×企業:カバヤ食品)今日は大賞の事例をみなさんにご紹介したいと思います!

 

1型糖尿病とは、生活習慣とは関係なく突然発病する、インスリンが分泌されなくなってしまう病気で、患者の多くは子どもです。日本での年間発症率は10万人あたり1~2名です。(※私たちが普段耳にする生活習慣病の糖尿病は、「2型糖尿病」と言い、糖尿病の95%を占めています。)インスリンはホルモンの一種で、これがないと高血糖になり、さまざまな合併症を発症してしまいます。そこで、1型糖尿病患者は毎日自分でインスリンを注射しています。ただし、インスリンが効きすぎると低血糖になってしまうため、低血糖になってしまった時の対策として、グルコースの粉末など、「補食」と呼ばれるものを準備しています。

一方、ジューCというのはみなさんご存じの通り、ラムネ菓子(写真左)。ある時、ジューCの開発者の方が1型糖尿病のことを知り、「お菓子メーカーとして、子どもたちのために何かできることはないか」と思い、ジューCの技術をいかして、手軽に糖分補給ができるジューCグルコースというタブレットを開発しました(写真右)。こだわったのは、“お菓子に見えない、安くて、美味しい補食”ということ。学校でお菓子を食べることは、子どもにとっては抵抗があり、周りからも、「何で○○ちゃんは学校でお菓子を食べていいの?」といじめられてしまうことも…。そこでパッケージを薬っぽい感じにして、お菓子に見えないように工夫したそうです。また、粉末のグルコースはあまり美味しいものではありませんが、ジューCグルコースは、ほんのりレモン味にしました。(価格は一本50円)

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こうして1型糖尿病患者にとってはなくてはならない商品を作り、ネット販売を開始しましたが、思うように売れ行きが伸びません…。

そんな中、岡山(カバヤ食品は岡山県にある会社です)の患者会が工場見学をしたことによって生まれたつながりで、1型糖尿病の患者さんとそのご家族の支援と、根治を目指して活動しているNPO、日本IDDMネットワークとカバヤ食品が出会います。「たくさんの人にジューCグルコースを届けたい」という企業の思いと、「患者にとって補食はなくては困るもの」というNPOの思いが重なり、協働が始まります。

具体的には、会報、セミナー、シンポジウムなどでジューCグルコースをPRしたり、患者さんにサンプルをプレゼントしたり。その甲斐あって、昨年12月に患者さんやご家族に行ったアンケートでは、約8割の人がジューCグルコースを知っている、と答えるほど、認知度は向上しました。現在も、グルコースの含有量の増量といった商品の改良や、病院の売店や調剤薬局への販路の拡大など、事業は継続中とのことです。

今月までNPOと企業の協働に関する講座を受講していたので勉強のために参加したのですが、成功事例をきくことでモチベーションもアップしましたし、いろいろな方に直接お話を伺うことができて、良かったです。「NPO×企業」のコラボによって、こんな風に“かゆいところに手が届く”社会になるといいなぁと思いました。ICYEジャパンも頑張らねばです。最終選考に残った他の4事業も、どれも興味深いものばかりだったので、別の機会にご紹介したいと思います。 

 

特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク http://japan-iddm.net/

カバヤ食品株式会社 https://www.kabaya.co.jp/index.html

 

by やまだ

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