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【ただ「文化が違う」ということ】

2020.5.30コラム

オンライン交流会と同じ日、2020‐2021年派遣生を対象に、デンマーク・フィンランドにいる現地派遣生の話を聞く現派遣生・派遣予定生の交流会がオンラインで行われました。

今年の夏の派遣生は世界中での新型コロナウイルス感染拡大を受けて出発時期が国ごとに延期になる等影響を受けていますが、そんなときだからこそ、「準備として今できることを」と、今回の交流会が開催されました。

日本からの荷物やお金はどの程度持っていくのがいいの?
携帯電話ってどうしたの?
持って行ってよかったおすすめな日本からのお土産はどんなもの?
言語でのコミュニケーションはどうしているの?
等々、実際に派遣を控えている派遣予定生からは「現地で生活する」ことをイメージした具体的なことが次々と質問されました。
そして気になる、「今の街の状況」や「コロナ禍での生活」についても、話を聞きました。

現地派遣生は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けつつも活動を継続しています。
話を聞いた時(5/23)は感染拡大も少しずつおさまりはじめ、禁止や自粛が緩和され始めている時期でしたが、活動先では一部園児のみの登園になったり休校になったり、お店が閉まったり、様々な自粛や禁止が呼びかけられたりと話を聞くと日本と同じようなことが起きていました。
しかし、驚いたのは、真逆なこともあるということです。

例えば、日本では外出時のマスク着用が推奨されていますが、デンマークやフィンランドでは、マスク=重病人であるということになるため、ほとんどの人が着用していないし、自分もしていないということ。外出自粛で日本では家にいましょうと呼びかけられましたが、健康のために公園に行ったり運動をしましょうと呼びかけられたこと。

コロナ関連の話題だけではなく、日常生活の話題でも、聞いただけでは「え?!」と驚いてしまうようなことがありました。
携帯電話は月2000円かからずに使い放題だったり100Gまで使えたりすること
ティッシュペーパーはとても硬くて乾燥していると鼻が切れることもあるということ
「謙虚」や「遠慮」といった言葉も概念もなく、それを伝えるのが難しいこと
日本にいる私たちからしたら「びっくり」も、外国では「それが当たり前」になります。

言い換えれば、日本に住んでいると「当り前」だと思うことが、外国では「全く当たり前ではない」と言うことです。
「当り前を疑え」なんて言葉もありますが、場所が変われば当り前は当たり前じゃないし、普通は普通じゃない。
そしてどちらが良い悪いということではなく、ただ単に「文化が違う」ということなのだと思いました。

でもこれは国の違いという話だけでもありませんね。
どうしても、自分の価値観や考えと違うものに触れたとき、「こっちの方が正しい」や、「そこは間違っている」と思ってしまいがちですが、正誤や優劣や善悪があるのではなく、ただ単に「違う」ということ。
違いに気付き認めることが、人やモノとの関わりをより豊かにしていくんだな~と、派遣生の話を聞きながら、しみじみと感じていました。

コロナ禍の生活になり、これまでの「当たり前」ががらがらと崩された私たちにとって誰もが経験した「当り前は当り前じゃない」ということをきっと痛感せざるを得ない生活がまだまだ続くでしょう。
そんな中でも、「違う=敵!悪!」ではなく「違う=そうかそうか、自分と違うのか。どう違うのかしらね?なんでそうなのかしらね?」とちょっと想像力を働かせてみることが、きっと生活を豊かにしてくれるだろうと思います。

緊急事態宣言が明けましたが、自由に海外に行くことはまだまだ難しい状況です。
今回、たくさん外国での話を聞くことができたので、海の向こうの国々に思いを馳せながら、行ったらこんなかな~と想像力を働かせながらうちでも外国気分に浸ろうと思います♪